197 ファサ
タクシーに乗っていると、
目の前の席の女性が寝て、その女性の頭が私の方にガクッと倒れました。
ファサ…
女性の髪の毛のカタマリが落ちてきました。
首が取れたか、と一瞬思うほどいきなりのことです。
人の髪の毛を触ることなどないですから、変な感じです。
その正体、「かつら」です。
私は、その手に取ったかつらを前の女性に返しました。
女性は、かつらが取れた時に目を覚ましたようです。
渡すと、
「ありがとう。」と言って、
落ちないようにビニール袋に収納しましたとさ。
かつらの存在は、とても身近です。
生活していて、人がいる前でも平気で取ることはザラです。
もはや帽子となんらかわりないアイテムなのです。
セネガル人のほとんどの人は、細かくカールしたような髪質です。
なので、編みこみヘアが主流です。そして、それはとても似合います。
だから、ロングのストレートヘアという見た目は、最初の方は見慣れませんでした。
見慣れてくると、似合う人もたくさんいます。
帽子感覚でかぶるかつらは気軽そうです。
この間、一緒に働いているジャージの先生が、
きれいなセネガル生地の服を来て、化粧して、かつらを被っていたので、別人に見えました。
遠目に見て新しい先生かと思ったので、
「あれは、誰ですか。」
とついだまされて質問してしまいました。
そのあとは、笑われました。
髪型で印象がガラッと変わります。
しかも、暑い時は自由に脱ぐかつら文化は、日本とは大きく違います。
私のようなストレートに近い髪質の人にはとても興味を示してきます。
特に、子供が私の髪が気になるようで勝手に触ってきます。
男の人はというと、ほぼ坊主です。
床屋は、家の近くだけでも何軒かあります。
カミソリで剃っていくスタイルです。
剃り込みを入れてデザインしている人もいます。
子供もデザインを入れていて遊びがあります。
床屋のおっちゃんは、剃っていく様子を見せてくれました。


ヘアカタログ代わりのポスターがあります。
この子は、カミナリ。