「タリベ」と呼ばれる子供たちの生活について、知り合いから話を聞きました。
タリベの子供たちは、通行人に対してまずお金を要求します。
知らない人でも、躊躇(ちゅうちょ)なくお金を求めます。
私の家の前に現れるすでに私の顔も知っている顔見知りの子供たちでも何度も言ってきます。
お金の求め方は、大体の子供が同じ方法です。
すでに誰かからもらった小銭を手の平に乗せて、上下に振ります。
そうすると、手の上の小銭同士が当たって、チャリ、チャリとなります。
無言で(お金が欲しい。)というメッセージを発しているのです。
「100フラン(20円)。」
とだけ人に対してつぶやき、お金を求める子供も結構います。
あいさつ文化が根深いセネガルなのに、この子供たちが発する最初の言葉は、朝のあいさつではなくて、基本的にお金のことです。
私は、
その時持っている食べ物や水などを渡すことはありますが、
お金は渡すときりがないと考えるので、
「お金はあげないんだ。」
と伝えています。
「お金を集める活動」が彼らの修行の一環と言われているのを聞いたことがあります。
彼らに対して修行と言って指導者がお金集めを課しています。
そして、お金を集めるとき、そのノルマがあるという噂があるのです。
「タリベは、セネガルに30000人以上存在している。」
と私の知り合いは言いました。
正確なデータではないと思いましたが、ひとまず聞きました。
「タリベは、1日に1人当たり500フラン(100円)集めるようにというノルマがある。」
小学生〜中学生くらいの年齢の彼らが、毎日1人で500フランを集めて、その子たちが通うコーラン(イスラム教の書物)の学校長へ納めるらしいのです。
通行人に声をかけて、お金をもらおうとする子、
物を運んだり、掃除をしたりしてお金をもらおうとする子、
コーランの暗唱やイスラム教の歌などを披露したりしてお金をもらおうとする子がいます。
日々お金を集めなければならないので、彼らなりの工夫で、考えて行動していることが見ていて分かります。
「もし、500フラン(100円)以上のお金を1日で人からもらうことができたら、タリベの子は、そのお金を隠しておくんだ。」
1日のノルマ以上集めたお金は、指導者へ渡さずに隠しておくと言うのです。
私「どこに?」
「近所に、物を売っている露店の人たちがいるだろう?その中で、自分の母親のような存在を見つけるんだよ。そして、その人に預かってもらう。手伝いをしているのは、そういう理由もあるんだ。」
というのです。
私「お金を取っておいて、子供たちは何に使うの?」
「それは、自分の好きなように使うさ。お菓子とか。」
この話を聞いて、タリベの子はたくましいと思いました。
朝は冷え込む今(1月)、半そで半ズボンでガタガタふるえている子供たちがいます。
着ている服は、誰かにもらうなどしてやりくりしているので、持っていない子は本当に何にも持っていないのです。
まだ幼い子供なのに、全部、自分の責任で生きているのです。
セネガルでは、どこに行っても落花生が売られています。
落花生は、セネガルでは「ゲルテ」と呼ばれます。
砂を火にかけて熱々にした中に、落花生を投入して調理しています。
この砂は炭で熱しています。
地方はもちろん、首都のダカールでもこの光景は見られます。
ビルが建つ都会においても、昔ながらのスタイルが維持されています。