2年生の先生から、
「円を描くことを教えた後は、円を切ることを教えるよ。」
と言われました。
前に、円を描くことを子供たちに教えました。
その先生に子供たちが道具を持っているか聞いてみました。
「はさみは全員持ってます?」
「持っていないよ。」
「じゃあどうやって円を切るんですか?」
「こうやってやるんだよ。」
と見せてくれた方法が、
書いた円の線の上をボールペンでガリガリと跡を付けて、手でペリペリと切り取る方法でした。
その発想があったか!と思いました。
私には思いつきませんでした。
はさみは1クラス60人分ほど用意することが難しいので、先生の方法で教えてみようと準備しました。
授業の流れは、
1 円を描く(円い物をなぞって円を写し取る)
3 手でペリペリと円を切り取る
です。
子供たちは、白いコピー用紙を配ると、うれしそうにしました。
普段白い紙は使わないからです。
セネガルでは私にとっても貴重な紙なので、A4の紙を4枚に切って数を増やして節約して子供たちに配ります。
この場合、裁断機はないので、カッターで地道に切ります。
楽しく子供たちが取り組めるように、3までが丁寧にできたら、
4 円を2つ折り、4つ折り、8つ折りにする
5 折り目に色をぬる
6 完成した円をのりで模造紙に貼る。
という流れにしました。
物を使う授業をしていて思うことは、「物を用意するハードルの高さ」です。
コピー用紙、色鉛筆、模造紙、のりなどは、日本のように学校には置かれていないです。
色鉛筆などは、全員分が用意することが難しいので、交換し合って使いました。
鉛筆削りがないので、すぐに削れずに大変でした。
のりは私の持っていたスティックのり1本を貼る時に使いました。
全員で使ったため1日で無くなりました。
ほとんどの場合、セネガルの先生たちは物を用意せず、チョークだけで授業を行います。
たしかに、予算などはなく用意するとしても自腹なので、仕方ないことも理解しています。
物の用意という事情が先生にはありますが、子供たちには関係ありません。
子供の立場からしたら物があった方が良い。それだけです。
みんな、楽しそうに作業していました。
全員で1つのものを作る経験はめったになかったので、良い経験になったと思います。
できたあとは、教室のどこに貼るかみんなで考えて、貼りました。
円が上手く切れない子がいました。
その子が、3回目でうまく切れたときはとても満足そうに笑いました。
不器用なのは、経験不足なだけです。
みんなの円、はさみを使ってないのに、上手に切れています。