自分道 Jibun-Dou

アフリカはセネガル。青年海外協力隊。

150 円を切る

2年生の先生から、

「円を描くことを教えた後は、円を切ることを教えるよ。」

と言われました。

 

前に、円を描くことを子供たちに教えました。

yuta7watanabe.hatenablog.com

その先生に子供たちが道具を持っているか聞いてみました。

 

「はさみは全員持ってます?」

「持っていないよ。」

「じゃあどうやって円を切るんですか?」

「こうやってやるんだよ。」

と見せてくれた方法が、

書いた円の線の上をボールペンでガリガリと跡を付けて、手でペリペリと切り取る方法でした。

 

その発想があったか!と思いました。

私には思いつきませんでした。

 

はさみは1クラス60人分ほど用意することが難しいので、先生の方法で教えてみようと準備しました。

 

授業の流れは、

1 円を描く(円い物をなぞって円を写し取る)

2 ボールペンでガリガリして跡をつける

3 手でペリペリと円を切り取る

です。

 

子供たちは、白いコピー用紙を配ると、うれしそうにしました。

普段白い紙は使わないからです。

セネガルでは私にとっても貴重な紙なので、A4の紙を4枚に切って数を増やして節約して子供たちに配ります。

この場合、裁断機はないので、カッターで地道に切ります。

 

楽しく子供たちが取り組めるように、3までが丁寧にできたら、

4 円を2つ折り、4つ折り、8つ折りにする

5 折り目に色をぬる

6 完成した円をのりで模造紙に貼る。

という流れにしました。

 

物を使う授業をしていて思うことは、「物を用意するハードルの高さ」です。

コピー用紙、色鉛筆、模造紙、のりなどは、日本のように学校には置かれていないです。

色鉛筆などは、全員分が用意することが難しいので、交換し合って使いました。

鉛筆削りがないので、すぐに削れずに大変でした。

のりは私の持っていたスティックのり1本を貼る時に使いました。

全員で使ったため1日で無くなりました。

 

ほとんどの場合、セネガルの先生たちは物を用意せず、チョークだけで授業を行います。

たしかに、予算などはなく用意するとしても自腹なので、仕方ないことも理解しています。

物の用意という事情が先生にはありますが、子供たちには関係ありません。

子供の立場からしたら物があった方が良い。それだけです。 

 

みんな、楽しそうに作業していました。

全員で1つのものを作る経験はめったになかったので、良い経験になったと思います。

できたあとは、教室のどこに貼るかみんなで考えて、貼りました。

f:id:yuta7watanabe:20190627222132j:image円が上手く切れない子がいました。

その子が、3回目でうまく切れたときはとても満足そうに笑いました。

不器用なのは、経験不足なだけです。

 

みんなの円、はさみを使ってないのに、上手に切れています。