自分道 Jibun-Dou

アフリカはセネガル。青年海外協力隊。

155 蛇口がポキっとね

夜23時。そろっと寝ようかなと思ってた時です。

何の気なしにキッチンへ行きました。

 

夜はいつもゴキブリがキッチンへ現れます。

小さいサイズなので、すっかりなれて気にしていませんでした。

その日は蛇口の上にゴキブリが這っていたので、

「そこはやめてよ。」

と手ではらおうと、蛇口を軽〜くたたいた瞬間でした。

 

ポキッ

 

ジャーーー

 

1秒後には、全身がびしょぬれでした。

水道の蛇口が根元からポキッと折れたのです。

大量の水が噴水の横バージョンで吹き出してきました。

勢いが半端じゃありません。

 

蛇口が取れたと思って戻そうと思ったら、古くなった金属の部分が折れていたので、付けことはできません。

その間も水は出ています。

その直径1.5㎝くらいの水が出ている水道に、ひとまず指をつっこんで止めました。

 

すごい水圧を感じ、同じ圧で押してないと、水は出続けました。

指の代わりに「ふた」になるものを考えました。

(ワインの栓があった!)

1回手を離してそれを取りにいきます。

離れている間、容赦なく床にフルパワーで水がまかれていきます。

 

(頼むはまってくれ!) 

サイズはちょうどで、はまりました。

が、

水圧があるので、結局私が押していないと、吹っ飛ばされてしまいます。

抑えていると手が痺れてきました。

 

(このまま徹夜?さすがに無理よ)

と判断し、SOSで大家さんに電話することにしました。

私のスマホは、はるか遠くに感じる隣の部屋にありました。

 

ほりゃ

 

手を離すと、弱いものいじめのように、またもや水をまき散らかされます。

 

スマホをゲットして、再びワインの栓を水道にさしました。

片手で抑え、片手で電話しました。

私 「もしもし」

大家「もしもし、こんな時間に何?」

私 「今!蛇口が壊れて、大量の水が出てる!」

大家「明日でいい?」

私 「今!今!」

大家「何でそんなことになる?何をしたんだ?」

私 「とにかく来て、助けて!」

大家「今、ちょうど寝るところだよ。」

私 「お願い、来て!」

大家「ちょっと待って。折り返すから。」

(数分後)

大家「今、修理の人を部屋に向かわせたから。すぐ来るよ。」

私 「おぉ!ありがとう!」

(10分後)ピンポーン

私「こっちに入ってきて!」

セネガル人が1人入ってきました。

修理の人「どした?」

私「ここ!水が止まらない!」

修理の人「元栓止めてくるよ。」

私「ナイス!」

しかし、水は止まりません。

修理の人「う〜む。こりゃ止まらないね。ふたになるものはないの?」

私「これ(ワインの栓)の他には無い !」

その人はキッチンを見回し、なんと、ナイフとふきんを手に持ちました。

修理の人「そこどいて。」

水道の穴に、ふきんをナイフで奥に押していきました。

修理の人「もう1本ナイフない?」

私「持ってる!」

さらに、もう1本その穴に刺しました。

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なんと、水は止まったのです。

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こういうとき、セネガル人は心強いのです。

無理と思われた水を工夫で止めてくれたのです。

お見事!私には想像できない方法でした。

 

「明日の朝また来るから。新しい蛇口買ってくるよ。」

と去っていきました。

 

翌日、修理の人が再び来てくれて、無事新しい蛇口の取り付けが終わりました。


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実は、その次の日、第2の水道菅が壊れて、また水浸しになるのですが、

また修理の人に来てもらい、新しいパイプを付けてもらいました。


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4日間のあふれ出る水との戦いが終わりました。

 

大量にあふれた水は、壁や床に染みこむこと、夜寝ている間床の傾いている方へ流れて、他の部屋まで流れることなどが分かりました。

 

水が止まらないことが結構な恐怖だということが、身をもって分かった事件でした。