夜23時。そろっと寝ようかなと思ってた時です。
何の気なしにキッチンへ行きました。
夜はいつもゴキブリがキッチンへ現れます。
小さいサイズなので、すっかりなれて気にしていませんでした。
その日は蛇口の上にゴキブリが這っていたので、
「そこはやめてよ。」
と手ではらおうと、蛇口を軽〜くたたいた瞬間でした。
ポキッ
ジャーーー
1秒後には、全身がびしょぬれでした。
水道の蛇口が根元からポキッと折れたのです。
大量の水が噴水の横バージョンで吹き出してきました。
勢いが半端じゃありません。
蛇口が取れたと思って戻そうと思ったら、古くなった金属の部分が折れていたので、付けことはできません。
その間も水は出ています。
その直径1.5㎝くらいの水が出ている水道に、ひとまず指をつっこんで止めました。
すごい水圧を感じ、同じ圧で押してないと、水は出続けました。
指の代わりに「ふた」になるものを考えました。
(ワインの栓があった!)
1回手を離してそれを取りにいきます。
離れている間、容赦なく床にフルパワーで水がまかれていきます。
(頼むはまってくれ!)
サイズはちょうどで、はまりました。
が、
水圧があるので、結局私が押していないと、吹っ飛ばされてしまいます。
抑えていると手が痺れてきました。
(このまま徹夜?さすがに無理よ)
と判断し、SOSで大家さんに電話することにしました。
私のスマホは、はるか遠くに感じる隣の部屋にありました。
ほりゃ
手を離すと、弱いものいじめのように、またもや水をまき散らかされます。
スマホをゲットして、再びワインの栓を水道にさしました。
片手で抑え、片手で電話しました。
私 「もしもし」
大家「もしもし、こんな時間に何?」
私 「今!蛇口が壊れて、大量の水が出てる!」
大家「明日でいい?」
私 「今!今!」
大家「何でそんなことになる?何をしたんだ?」
私 「とにかく来て、助けて!」
大家「今、ちょうど寝るところだよ。」
私 「お願い、来て!」
大家「ちょっと待って。折り返すから。」
(数分後)
大家「今、修理の人を部屋に向かわせたから。すぐ来るよ。」
私 「おぉ!ありがとう!」
(10分後)ピンポーン
私「こっちに入ってきて!」
セネガル人が1人入ってきました。
修理の人「どした?」
私「ここ!水が止まらない!」
修理の人「元栓止めてくるよ。」
私「ナイス!」
しかし、水は止まりません。
修理の人「う〜む。こりゃ止まらないね。ふたになるものはないの?」
私「これ(ワインの栓)の他には無い !」
その人はキッチンを見回し、なんと、ナイフとふきんを手に持ちました。
修理の人「そこどいて。」
水道の穴に、ふきんをナイフで奥に押していきました。
修理の人「もう1本ナイフない?」
私「持ってる!」
さらに、もう1本その穴に刺しました。
なんと、水は止まったのです。
こういうとき、セネガル人は心強いのです。
無理と思われた水を工夫で止めてくれたのです。
お見事!私には想像できない方法でした。
「明日の朝また来るから。新しい蛇口買ってくるよ。」
と去っていきました。
翌日、修理の人が再び来てくれて、無事新しい蛇口の取り付けが終わりました。
実は、その次の日、第2の水道菅が壊れて、また水浸しになるのですが、
また修理の人に来てもらい、新しいパイプを付けてもらいました。
4日間のあふれ出る水との戦いが終わりました。
大量にあふれた水は、壁や床に染みこむこと、夜寝ている間床の傾いている方へ流れて、他の部屋まで流れることなどが分かりました。
水が止まらないことが結構な恐怖だということが、身をもって分かった事件でした。