自分道 Jibun-Dou

アフリカはセネガル。青年海外協力隊。

156 さしみ

今、私が住んでいる町に日本人は私1人だけしかいません。

だけど、前に住んでいた日本人ボランティアの知恵で生活レベルが上がることがあります。

 

私の住む町ルーガでは「魚」が売っている場所があります。

魚市場です。

だけどこの町には海に面していません。

その魚はここから車で1時間以上離れた海沿いの町でとれた魚なのです。

そのため、ここに来るまでに鮮度が落ちています。

日本のように大量の氷で鮮度を保ったまま運ぶということはしません。

セネガルでは、魚は火を通して食べるとか油で揚げて食べることが基本です。

 

この間日本へ帰国したある日本人ボランティアは、魚市場に何回も足を運んでいました。

通ううちに商人と仲良くなって、鮮度のいい魚の目利きができるようになって、さらには鮮度のいい魚を売ってもらえるようになりました。

ある時、朝早くに鮮度のいい魚を買って刺身にすることに挑戦しました。

その隊員曰く、

「2年生活して、言葉を覚えて、そこにいる人たちと関係ができたから、刺身を食べるところまでたどり着けた。」

という風に言っていました。

 

刺身を食べることができるまでには、経験、言葉、人間関係が関係していたのです。

その刺身を食べましたが、本当に美味しいあじでした。

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たくさんさばいたので、あじの「なめろう」を作りました。

これまた絶品でした。

日本でなめろうを一緒に食べた仲間たちを思い出しました。


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前にいたボランティアの経験、知恵や工夫が次のボランティアへと引き継がれています。

 

日本人がいたなごりが、まだまだ町に残っています。

タクシーの運ちゃんや子供たち、地元の人たちは、前にいたボランティアの名前を口にすることがあります。

 

地元の人「〇〇はどこにいるの?」

私   「彼はもう帰ったよ。」

地元の人「〇〇はセネガルに戻ってくるのか?」

私   「う〜ん、分かんない。」

地元の人「◯◯とは友達なんだよ。元気してるかな?」

 

日本人とのエピソードをする時、みんな笑顔で話をしてくれることが私はうれしいです。

悪い話を聞きません。

過去にいたボランティアがそれぞれ心がけてつくってきた「セネガルとのつながり」が、話の中にみえるのです。

 

私は今いる唯一の日本人として、セネガルと良い関係をつくっていきます。