教室の前に5人の子供が立っていました。
他の子供はすでに席に座っているのに。
その小学5年生の子供たちはとても暗い表情をして、うつむいていました。
近くの先生に、
「あの子たちは、何をしているの?」
と聞くと、
「あの子たちは、留年した子たちだよ。」
と教えてくれました。
セネガルでは、毎学期のテストの成績によって留年するという制度があります。
その留年した子たちは、1つ下の学年の教室に入りづらいという理由で立っていたのでした。
「入りなさい。」
と言われた子供たちは、しぶしぶ教室へ入っていきました。
小学校は6年間あるのに、留年をすると7年、8年•••とすごく長い期間通うことになります。
子供たちの気持ちを察しました。
日本の新学期は4月ですが、セネガルでは10月が新学期です。
今週から「徐々に」学校が始まっていきます。
「徐々に」というのは、
・夏休み明けで全員の子供が登校してこない
・他の学校から転校してくる子がバラバラの時期に入ってくる
・先生が研修で不在
などいろいろな理由がからまっていて、日本とは違ってゆったりと始まっていくイメージです。
最初の週は「復習をする週」というざっくりした週なので、子供も先生もまだまだ力が抜けているような状態に見えます。
先生が研修で不在のクラスの子供たちは、そのまま放置されていることがあります。
私も小学校で授業を始め、今年度も新しいスタートを切りました。
算数をいくつかのクラスで行います。
担任とは違い、限られた時間ですが、子供のためになればと思って授業を考えて実行しています。
去年(2018年)行ったことのない学校の様子を見てみたかったので、新たに1つ去年訪れなかった小学校を訪問してきました。
そこの校長先生に聞くと、
「日本人のボランティアはここ数年来ていないけど、これを見て。」
と言われました。
見ると、校舎の壁には日本とセネガルの国旗が並んで書かれたプレートが!
おそらく、日本の援助で建てられた学校ということです。
プレートには2003年と書かれていました。
今まで通っていた学校にはこのようなプレートはありませんでした。
今回は、たまたま日本が支援をした小学校に辿り着きました。
日本のことを知らない先生や子供たちに、日本人のことを少しでも知って欲しいと思いました。