自分道 Jibun-Dou

アフリカはセネガル。青年海外協力隊。

180 日本の足跡

教室の前に5人の子供が立っていました。

他の子供はすでに席に座っているのに。

 

その小学5年生の子供たちはとても暗い表情をして、うつむいていました。

近くの先生に、

「あの子たちは、何をしているの?」

と聞くと、

「あの子たちは、留年した子たちだよ。」

と教えてくれました。

 

セネガルでは、毎学期のテストの成績によって留年するという制度があります。

その留年した子たちは、1つ下の学年の教室に入りづらいという理由で立っていたのでした。

「入りなさい。」

と言われた子供たちは、しぶしぶ教室へ入っていきました。

 

小学校は6年間あるのに、留年をすると7年、8年•••とすごく長い期間通うことになります。

子供たちの気持ちを察しました。

 

日本の新学期は4月ですが、セネガルでは10月が新学期です。

 

今週から「徐々に」学校が始まっていきます。

「徐々に」というのは、

・夏休み明けで全員の子供が登校してこない

・他の学校から転校してくる子がバラバラの時期に入ってくる

・先生が研修で不在

などいろいろな理由がからまっていて、日本とは違ってゆったりと始まっていくイメージです。

 

最初の週は「復習をする週」というざっくりした週なので、子供も先生もまだまだ力が抜けているような状態に見えます。

先生が研修で不在のクラスの子供たちは、そのまま放置されていることがあります。

 

私も小学校で授業を始め、今年度も新しいスタートを切りました。

算数をいくつかのクラスで行います。

担任とは違い、限られた時間ですが、子供のためになればと思って授業を考えて実行しています。

 

去年(2018年)行ったことのない学校の様子を見てみたかったので、新たに1つ去年訪れなかった小学校を訪問してきました。

そこの校長先生に聞くと、

「日本人のボランティアはここ数年来ていないけど、これを見て。」

と言われました。

 

見ると、校舎の壁には日本とセネガルの国旗が並んで書かれたプレートが!

おそらく、日本の援助で建てられた学校ということです。

プレートには2003年と書かれていました。

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今まで通っていた学校にはこのようなプレートはありませんでした。

今回は、たまたま日本が支援をした小学校に辿り着きました。

 

日本のことを知らない先生や子供たちに、日本人のことを少しでも知って欲しいと思いました。