自分道 Jibun-Dou

アフリカはセネガル。青年海外協力隊。

198 手先

「教室を飾りたいんだけど」と言われ手伝ったクラス(1年生)の隣のクラスの先生に「こっちの教室も飾りたいんだけど」と言われたので、一緒に何を作るか考えました。

 

その先生は「ちょうちょ」を提案してきたので、それに決めて、準備をしました。

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私の活動は算数がメインですが、他の教科もボランティアの活動として含まれているのです。

 

セネガルでの図工は、物の用意が難しいのでほとんどのクラスで行われていないのが現状です。

今まで見たことがあるのは、先生が黒板にチョークで書いた絵を、ノートに描き写すだけ授業くらいです。

 

ほとんどの子が不器用なのは当然なことです。

理由は、手を使った工作の経験をした経験がないからです。

工作するための「動き」に慣れていません。

 

同時に、

物をはさみで切ったり、のりで貼ったりして、自分の考えたものを表現する経験もないのです。

 

 

今回、ちょうちょを作るのに必要な動作は、

「折る」

「切る」(はさみ)

「貼る」(のり)

の3つでした。

 

紙を折る動作

 

日本だと折り目をきれいにつけるために爪を使いますが、

セネガルの子供界の中では、口で紙をくわえて(おそらく濡らしている?)折るのが効く方法だと思われているようです。

たくさんの子が紙を折るときにやっていました。

 

紙を切る動作

 

はさみで切るから簡単だろうと思いました。

だけど、なんだか時間がかかっていたので、

はさみを借りて切ったところ、なんと、切れ味がとんでもなく悪かったのです。

みんなが使っているはさみは大体同じもので、とても質の低いものでした。

そのはさみで切ると、ずばり切れ味が悪すぎるのです。

道具が関係して、切る作業のレベルが難しくなっていました。

 

貼る動作

 

のりを使いました。

10人に1つの液体のりしかなかったので、指の上にのりを少し乗せて、ぬって貼るという作業です。

貼るという作業は、ベタベタな手で貼るという一段階難しい作業になりました。


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道具の良し悪しでも、作業のレベルが変わることが身をもって分かりました。

 

みんな文句を言わずに楽しく作業していました。

1年生がする初めての工作だったので、どんな出来上がりでも「いいね!」と声をかけました。

みんな、自分のちょうちょを「見て!見て!」と自慢げでした。


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日本では道具が豊富で、小学校の図工では手先を動かすチャンスが多いです。

自由に表現する時間も多く、日本は恵まれていると実感しました。