今年も豚一頭(いっとう)買いをしました。
私がこの町で豚を食べるチャンスは年に数回だけなので、豚を買って食べることは私にとってお祭り騒ぎなのです。
私の住んでいる町では、野豚が大量にいます。
イスラム教徒にとって豚は食べる対象ではないので、イスラム教徒がほとんどのこの町では豚が捕まえられることはありません。
だけど、キリスト教徒の家では家畜用の豚が飼われています。
友達のキリスト教徒のセネガル人に頼んで、豚を売ってもらいました。
その場で捕まえて目の前で捌いて(さばいて)もらいました。
キリスト教徒の間では、売り買いされて、商売にもなっているのが豚です。
朝行くと、豚たちはまだ寝ていました。
ほどよい大きさの豚を選び、捕まえました。
豚を運んだときの体感では、20〜30Kgくらいの重さかなと思いました。
このサイズの豚で、20000フラン(4000円)でした。
捕まえたあとは、体を押さえて屠殺(とさつ)します。
かなり大きな鳴き声を出します。
見ていて、息を飲む瞬間です。
その後は、木に吊るして、空中でナイフだけで捌いていきます。
この手の作業は、セネガル人の男性は手慣れていて、スムーズに進みます。
イスラムの祝日では、羊や牛を一頭捌くことがあります。
この前の祝日の時には、大きな牛を5人がかりで捌いていました。
子供も足を持って手伝っていました。
小さい頃から大人の作業を見て、教わっているからできることなのだと思いました。
去年気付かなかった発見がありました。
屠殺した豚から出たばかりの血に、周りの豚がすぐに群がって食べたことです。
横たわっている豚を踏み、乗り越えていました。
さっきまで一緒に暮らしていた、という認識があるのかないのか、これが豚にとって自然なことなのが驚きでした。
今年もまた、豚いっとうの命をおいしく頂きました。